議事録&映像
令和2年12月定例会 12月3日
◆9番(廣重敦) 皆さん、こんにちは。廣重 敦です。新人ですが、35年間民間企業でいろいろな経験を積んできましたので、そこで学んだことを市政に生かしていければいいなと思っております。よろしくお願いします。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、自民清風会、廣重 敦より、コンベンション施設等について、通告書に基づき、一問一答方式で質問させていただきます。
コンベンション施設に関しては、9月定例会で同会派の野本議員からも質問させていただいておりますが、一部なぞるところもあるかと思います。選挙後、大きく環境が変わりましたのと、新しい見方を加えて話をさせていただきますので、御容赦願いたいと思います。
まず(1)提案の背景についてお聞かせいただきたいと思います。
私もかねがね、世界最先端の研究施設があり、ものづくりを支える企業が集まり、観光資源も豊富な当市には、ふさわしいコンベンション施設が必要だと考えていました。そこで、この事業を始めた提案の背景を教えていただけますか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 本市は、これまでものづくり産業などに支えられまして順調に発展してまいってきたわけですけれども、自動車産業も転換期を迎えており、これまでの優位性が将来にわたって見通せなくなった今、ものづくり産業に続く柱として、豊富な歴史文化遺産等を生かしました新たな産業が必要と考え、観光産業都市の推進を掲げるに至りました。その一つが、今回進めておりますコンベンションとホテルの複合施設でございます。
本市の本市らしい景観が感じられる場所で様々な人が集まり、そこから交流が生まれ、地域経済や文化交流の活性化を促す拠点として考えられたものでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 岡崎市には、新型コロナの患者を真っ先に受け入れた藤田医科大学病院もあることから、医学関係のイベントも呼べることを期待したいと思います。それでは、これまでの経緯を改めて確認させてください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 本市のコンベンション施設等の整備につきましては、コンベンション施設単体で発意されたものではございません。平成24年度に実施いたしました民間ホテル誘致に遡ることになります。
当時は、岡崎市への交流人口の増加促進、明大寺本町地区の高度利用促進、そして消費拡大によります経済効果の創出を目的として都市計画の用途を変更し、地域計画を策定した上で進めてきた経緯がございます。これが今回の目的でございます乙川リバーフロント地区のポテンシャルを生かし、MICEの推進を図ることで経済の流れを呼び込み、市外に流出しています会議やレセプションなど、消費行動を市内にとどめられるようにしたいという趣旨につながっております。
その後もホテル誘致の検討は進められ、まちづくりワークショップやデザインシャレットなど、市民をはじめとしまして関心の高い方々からの意見も踏まえながら、乙川リバーフロント地区の整備が進む中で、民間事業者へのヒアリングを行い、民間事業者が進出しやすい条件といたしまして、ホテル機能は民間で整備、コンベンション機能は公共で整備するといった手法が取られ、今回の公募に至ったものでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) どうもありがとうございます。
これが実現すれば、念願の施設ということになりますが、貴重な市民の財産でもありますので、想定していた利用シーンを教えてください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 市内には300人の大規模な会議や式典を開催しつつも、その後に分かれて小規模な会議を開催し、併せてレセプション等を開催するといった一連のイベントを円滑に行える施設がないことが、名古屋市など市外へ流出する原因であったと分析しております。
そこで、今回計画いたしました施設では、そうした一連のイベントに対応できます施設として、分割使用も可能となります1,200平方メートルのホール、300人を分割して収容できる会議室、さらにはバンケットのための厨房やカフェレストラン、健康づくり支援機能としてシャワーやロッカールームの整備を想定したものとなっておりました。
想定いたしました具体的なシーンにおきましては、MICEと位置づけます企業等の会議や研修、学術会議や展示会、イベントなど様々な目的に活用可能なものとしておりました。これらコンベンション機能と民間ホテル、商業機能を有機的に活用して、総合的なおもてなしが可能となるよう考えていたものでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
学術会議への活用という御説明がありました。私も企業に勤めていた際、欧米の学術会議に何度か出席させていただきましたが、国際会議も想定されていたという理解でよろしいでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 現在、本市にございます国際的な学術会議は、自然科学研究機構が誘致するものが主なものでございまして、自然科学研究機構は自前のコンファレンスセンターを活用したり、国内有数のホテル等を利用したりしているところでございます。
これら会議等をそのまま今回のコンベンション施設に誘致することは難度が高いものでありますけれども、コンファレンスセンターの規模を超える会議やホテル利用をはじめとしまして、さきに御説明いたしました懇親会の会場としてコンベンション施設を利用していただくことは可能でございまして、それらを全てパッケージで提供できることに魅力を持たれている学術団体も存在していたことには期待していたところでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
岡崎市の魅力を世界に発信するためにも、ぜひ国際会議を誘致できるものにしていただきたいと思います。
私の経験では、数日の会議の間に半日程度のオプショナルツアーが設けられ、その地域の観光や体験イベントに参加させていただき、今でも大変いい思い出になっていますが、同様なことも検討されていましたでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 訪れていただいた方々には、現在でも地域の観光やイベント等といった参加には興味を持っていただいているところではございますけれども、アフターコンベンションと言われます会議等の市内観光や体験事業などは、本市を知っていただく貴重な機会であるとともに地域での消費にもつながることから、重要な要素であると認識をしており、事業者の募集におきましても評価の対象としていたものでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 国際会議は1年以上前からいろいろな媒体を通じ案内がされるため、関係者が開催地を事前に知ることはもちろん、関係書籍やウェブでの宣伝効果も少なくないと思います。また、会議に参加される方の中には著名人やインフルエンサーとなり得る方も多いため、観光PRの効果も大きいと感じております。
これらは、会議に参加される人だけにとどまらない岡崎の大きなPRになると思いますが、見解をお聞かせください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) コンベンション施設を御利用いただくためには、会議等の誘致活動が非常に重要な要素となってまいります。そこで、誘致活動に取り組める体制を施設のPRだけではなく、会議後の市内観光や体験事業などを総合的にPRのできるホームページや資料作成を行い、戦略的なMICE誘致を開業前から取り組める体制づくりを構築するための事前集客促進業務を行う予定でございました。このような活動を含めまして、本市のPR効果を高めたい考えでございました。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ところで、海外のお客様がセントレアから岡崎に来られる際、以前は高速バスを利用できましたが、今は廃止されています。私自身、大変不便を感じており、このままではMICE誘致どころか、さらなる地盤沈下が進むのではないかと危惧していますが、この現状に関する認識をお聞かせください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 空港バスは、運行事業者でございます知多乗合株式会社に確認したところ、バス路線の採算ラインとして、おおむね1便当たりですけれども、15人の利用が必要であるところから、岡崎・中部空港線の利用者数が少なく採算に見合わないため、令和元年8月より運行を休止したとのことでした。
そこで、市民利用だけであると事業者の採算ラインに乗らない状況であるため、復活に向けては利用者増につながる施策が必要であると考えてございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 調べていただきありがとうございます。
ますますMICE誘致に向けた備え、武器作りは必要不可欠と受け取りました。
しかしながら、MICE誘致は他の都市との競争にあります。今の岡崎市の構えで勝てるとお考えですか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) MICEの誘致につきましては、受入れ可能な施設やホテルなど、そのハード整備と誘致体制や参加者へのサポート、そしてアフターコンベンションの提供などのソフト整備の両面の構築が必要であると思っております。現況におきましては、その体制が完全には構築されていないため、MICEの誘致は難しいものと考えてございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 国内だけでも2,000以上の学術会議団体が存在し、毎年、年次総会や学会を開催しており、これらを誘致できないのは大きな損失だと考えます。
また、新型コロナを経験した今、会場の3密回避も必要な要素であり、これまで実施できた規模の会議でさえ、市外に流出する可能性もあるかと思いますが、いかがでしょう。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 現状を維持する上では、これ以上の催物を開催することは困難であると考えております。一方で、このコロナ禍におけます催物につきましては、市内外で自粛モードですので、その影響につきましては、想定することが今はできかねるところでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) スポーツツーリズムの推進は、中根市長も中総を核に積極的に進めたいということとお聞きしておりますが、前夜祭等のイベントにコンベンション施設を活用するということも市は考えておられましたでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) スポーツツーリズムでは、ビフォー、アフターのおもてなしが非常に重要な要素になっています。中央総合公園は、全国でも有数な国際的なスポーツ競技を開催できる施設が配置されているところですけれども、スポーツツーリズムでは競技だけではなく、市内各所におきましておもてなしができる体制を構築することが必要であるとの認識を持っています。
例えば、2026年のアジア大会におきましても、競技会場に想定され、宿泊をはじめとして、そのレセプションやアフターフォローでは、今回のコンベンション施設を利用することと考えていたところでもあります。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
募集に当たっては、MICE推進に向けた他府県と同様な施設、例えば宇都宮市コンベンション施設、薩摩川内市SSプラザせんだいのベンチマークも実施していると伺いました。それらと比較して競合力はありましたでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) こうした施設は、単純な箱物を造るといった意識ではなく、それぞれ地域の特性などに配慮いたしました施設であるため、一概には比較できないものですけれども、本市の場合におきましては、全国で様々な事業を実施してまいりました大手民間事業者の目線におきまして、乙川の眺望を生かした施設配置や施設と河川空間を一体的に活用するソフト事業などが提案されているところから、他施設にはない独自性があり、差別化も図られていると評価をいただいていると考えております。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
それでは次に、(2)これまでの検討状況をお尋ねします。
説明いただいた内容を踏まえた事業の概要と事業費の内訳を再度確認させていただけますか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 今回の事業は、三つの複合事業を募集したこととなりますけれども、一つ目は、MICEを誘致するための核でございまして、QURUWAエリア、さらには市域全域への波及効果を高めるため、PFI事業として実施いたします岡崎市コンベンション施設整備事業でございます。
二つ目は、事業敷地の一部を事業用定期借地として民間事業者にお貸しした上で、整備、所有、運営を全て民間の独立採算事業として事業を行っていただくホテル等民間収益施設事業です。
三つ目としましては、自治法に基づきます指定管理者制度を活用いたしまして、乙川河川緑地の利用、活用等を行います乙川河川緑地管理運営事業でございます。
なお、今回募集要項等で示しましたコンベンション施設の整備や運営に係ります市の総支払額の上限価格は、税抜きでございますけれども、73億5,700万円でございます。内訳につきましては、ただいま様々な協議をしている最中でございまして、現時点では差し控えさせていただきたいと思います。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 事業費の内訳は差し控えるとのことですが、新聞報道によると、建設費が約45億9,000万円で、建設後15年間の維持運営費が約27億3,000万円と出ていましたので、1年当たりに換算すると、年間維持運営費は年1億8,000万円程度と見込まれます。
これらの投資に対する波及効果を有形、無形それぞれあるかと思いますが、教えていただけますか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 波及効果につきましては、経済波及効果として算出してございますので、こちらで御報告申し上げますと、コンベンション施設整備事業の効果は約70億円、コンベンション施設の利用における効果は約232億円、そしてホテル及びテナント等における運営の効果は約20億円で、これらを合計いたしますと、322億円と試算してございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
これまで伺ってきたことを総括すると、将来のため、子供たちが自慢できる中枢中核都市岡崎のためにコンベンション施設は必要不可欠と考えます。
私自身、MICE関連で国内外多くの都市を訪問しましたが、いずれもおもてなしが行き届き、魅力あるところで、また行きたいと思うところばかりでした。ぜひ岡崎市もそういう都市の仲間に入り、切磋琢磨できればいいなと考えています。
そこで、お伺いしたいのですが、どのような反対意見があったのでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 主なものといたしましては、会場使用料が高額でございまして、市民が気軽に利用できない施設に80億円もの税金を投入するべきではないといった意見や、維持管理運営費が毎年2億円もかかる施設を新たに建設するのはいかがなものか、そして新幹線駅や空港のないこの岡崎市がMICE誘致に勝ち残ることができないのではないか、そしてコンベンション施設を整備するより現段階ではコロナ対策を優先すべきなどの意見をいただいたところです。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 最後の意見は、さきの臨時議会でも明らかになったように、時間軸が異なる話かと思います。その他の意見に関しては、説明が足りなかったために理解が得られていない部分もあるように感じています。
もう一つ、新幹線駅のない岡崎市という話がありましたが、豊橋からひかりを使えば東京からは名古屋より岡崎のほうが安いですし、場所によっては早いことも多くの企業人は知っています。議論はイメージではなく、リアルで話をする必要があると思います。
ただ、稼働率向上の観点からも、市民や市内の学校、企業にも活用いただくことは大変大切だと思います。何かアイデアをお持ちでしたら教えていただけますか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 例えば、MICEなどの予定がキャンセル等された場合におきましては、その利用日の1か月から2か月前になりましたら、会場の使用料を割引しまして、市民の方々にも気軽に利用していただけるような方策なども事業者とともに検討する予定でございました。
また、利用度を高めるため、類似施設との競合を避けることによりましても、施設規模をやみくもに大きくするのではなく、この三河地区に足りていない100人から300人程度の利用者が、会議から分科会、レセプションまでの一連のイベントを円滑に行うことができる規模の施設としていることも挙げられたところでございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
学会をパッケージで提案できる点は、主催者にとっても大変助かるところだと思います。
次に、維持管理運営費について、類似施設である竜美丘会館では年間でどれぐらいになるのかを教えていただけますか。
○議長(鈴木静男) 手嶋社会文化部長。
◎社会文化部長(手嶋俊明) 竜美丘会館は指定管理者制度によりまして、施設の運営に関わる人件費、維持管理費などの支出と、利用料金収入などの収入との差額に対しまして指定管理委託料を支払っておりますが、その金額は、令和元年度決算で約1億円、さらに駐車場用地の賃借料としまして約1,000万円、合計1億1,000万円を竜美丘会館の施設管理料として支出しております。
以上でございます。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ちなみに、さきの臨時議会の公共施設保全整備基金でも話題になりましたが、建築から数十年を経た竜美丘会館を使い続けるには大規模改修が必要とのことでした。概算で構わないので必要な金額を教えていただけますか。
○議長(鈴木静男) 手嶋社会文化部長。
◎社会文化部長(手嶋俊明) 竜美丘会館を大規模改修した場合の費用ですが、詳細な設計を実施しなければ分からないところでございますが、例えば、総務省が示している一般的な文化施設について大規模な改修工事を実施した場合の単価を基に概算で試算した場合は、おおよそ20億円程度が見込まれます。
以上でございます。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
竜美丘会館は、老朽化に加え、交通アクセス、駐車スペース等の利便性もいまいちだと私自身感じておりました。
毎年1億1,000万円ほどの維持管理運営費や今後発生するであろう20億円規模の大規模改修費用を考慮すれば、ここを畳んで、これまで検討されてきたコンベンション施設をさらに汎用性の高いものにして移転する、そういうスクラップ・アンド・ビルドで再検討すれば、将来への負担も下がりますし、市民の使い勝手もよくなるように思われますが、いかがでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 現在の竜美丘会館は、市民の集会・文化施設としての位置づけでございまして、使用料も市民利用者向けの低廉な額としてございます。
こうした機能を廃止することは、現在利用くださる方々にとりまして迷惑をおかけすることになることから、こうした機能も含めました再整備を検討する機会は必要であるかというふうに考えてございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 今ある施設を全て是として個々の施設を縦割りで考えるのではなく、市長がいつも言われている行政改革の一つの旗印として、市民や企業の方など誰もが使いやすい複合施設として再整備し、将来に残していくべきと考えます。
それでは、最後に(3)今後の方針について確認させてください。
まず、MICE誘致で岡崎市の魅力やステータスを向上させていくために、コンベンション施設は必要不可欠であり、今、それが岡崎市に欠けているというのは皆さん共通の認識だと思いますが、提案されている事業の現状を確認させてください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 事業の現状でございますけれども、ただいま事業を行う相手方の選定がされておりまして、事業に関します本協定を締結するための段取りを進めているところとなってございます。
提案事業の内容としましては、コンベンション施設は延床面積約6,300平方メートルで、1,000人が利用可能なホールや大小会議室を7室備えるとともに、河川空間での活動を支援するためのシャワー室やロッカー室のほか、市民をはじめまして、QURUWAエリアを訪れました方々が気軽に利用できますカフェレストランなどの整備が提案されたものです。
ホテルは、全室が周辺の一般的なビジネスホテルの標準面積よりも広い約90室の提案でございました。また単に宿泊するだけではなく、市内の寺社との連携やスノーピーク関連のカフェやショップ、コワーキングスペースなどが整備される予定であり、他のホテルとは差別化された上質なおもてなしが提供できるホテルが提案されたところでございます。
さらに、コンベンションホールやホワイエを2階に配置することで、乙川への眺望に配慮した提案や、施設と河川空間の一体感を目指し、敷地北側の堤防道路の歩行者化についても提案がなされておりました。
そして、優先交渉権者決定後の協議におきましては、ホールの窓の増加や吹き抜けの設置、手洗い場の設置などハード面におけますウィズコロナ、アフターコロナ対策についても提案されたところでございました。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
提案内容を伺うと、MICE誘致のみならず、岡崎市の大きな観光イベントである桜まつりや花火大会の付加価値を上げ、岡崎市に来ていただいた方だけではなく、市民の皆さんにもより楽しんでいただけるといった相乗効果が期待できますが、見解をお聞かせください。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 観光イベントとの連携は十分に可能であると考えておりました。例えば、桜まつりや花火大会など河川の空間を利用して行われますイベントと連携して、飲食イベントなどを実施することも可能です。もちろん通常時におきましても、市民の皆さんに楽しんでいただけます様々なコンテンツが提供できたものと考えておりました。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) 先日、乙川ナイトマーケットにお邪魔してきましたが、コロナに負けずバラエティーあふれるいろいろな夜店が趣向を凝らしてにぎわっており、頼もしい限りでした。こういったイベントの幅を広げる場所にもなり得ると思います。
さて、事業の中止に関わる質問は既に鈴木雅子議員がされていますが、これから本市において投資しようとしてくれる事業者に対し、投資をやめてもらうために多額のペナルティーを支払い、単に事業を中止するのでは、まちづくりにおいても何の解決にもなりませんし、議会の特別委員会でも推進すべきとしたMICE誘致に拍車もかかりません。
今回、残念なのが、このコンベンション施設を箱物か福祉かといった二者択一の議論で扱っていることです。福祉にはお金が必要です。そのお金を持続的に生み出す好循環の道具がこのコンベンション施設で、相反するものではありません。
岡崎市には、アイデアを持った若い人もたくさんいます。そういった人たちが活躍する場にもなると確信しています。
岡崎市にとってこれほど大事な事業が、十分な議論もないまま葬られることがないように、既にある施設のスクラップ・アンド・ビルドも含め、よりよい方法を見出すべきかと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(鈴木静男) 永田総合政策部長。
◎総合政策部長(永田優) 先ほど申し上げましたとおり、現在は方針転換によりまして、これまで進めてまいりましたコンベンション施設の整備を白紙とすべく、事業者に申入れを行うところでございます。
今後の展開がどのようになるか、まだ分かりかねるところでございますけれども、事業者との協議が円満に進んで中止したとなりますと、事業用地が当面活用できない状況のまま残ることになるため、何らかの検討は必要な状況と考えてございます。
方向性といたしましては、議員に御指摘いただきましたように事業内容を再検討することや、用地の活用を断念して事業用地を売却することなども考えられるところではございますけれども、市といたしましては、これまでの経緯を踏まえまして、ホテル誘致やMICEの在り方を市民、皆さんの意見を聴きながら見直してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○議長(鈴木静男) 廣重議員。
◆9番(廣重敦) ありがとうございます。
MICEの在り方を前提に市民の意見を聴きながら用地活用を検討いただけるとのこと、よろしくお願いします。
その際、以前のようにアンケートで終わらせるのではなく、具体的な議論が進むよう国内外の都市を知り、MICEに参画されている方の意見もぜひ取り入れていただきたいと思います。
今回の一般質問の中でも、やはり実体験のある方の話には大変説得力があります。ぜひイメージでなく、そういうようなことを取り入れていただきたいと思います。
そして、もしコンベンションという名称が今さら口に出せないというようなことであれば、リバーメッセ岡崎でも、岡崎ビッグサイトでも、岡崎アリーナでも構いません。ぜひ岡崎の未来のために必要な施設の整備をよろしくお願いいたします。
これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(9番 廣重 敦 降壇)